お久しぶりです!
全然更新しておりませんでした(汗
何か書こう、何を書こうと悩んでいる内に更新が止まっておりました。。
そんな時に若い方からこう質問されたのです。
「NC旋盤の方が綺麗に加工できるし、加工時間も短いのになぜ汎用機が未だにどこの工場にもあるのでしょうか?」
きっと彼はこう言いたいのでしょう。
「NC旋盤の方が早いし楽なのに、なぜ汎用機を使うのか?」
若い方はこう思っている人が多いのでしょうか、、、
そこで今回は汎用旋盤とNC旋盤の将来性について個人的な見解を書いてみたいと思います。
汎用機とNCの違い
汎用機のメリット
- 単品の加工が気軽にできる。
- ねじをさらえる等、手直しが容易。
- 刃物の交換が簡単。(補正を取らなくても良い)
- ろう付け等で刃物を好きな形状にできる。
- 長ネジや深溝の加工がしやすい。
- 切粉や削った感触が分かる。
NCのメリット
- 技能が要らない。
- 大量の品物を安定して生産できる。
- Rやテーパの形状を正確に加工できる。
- 一度刃物の補正を取っておけば工具交換が不要。
- 加工中に機械に付いていなくても良い。
- クーラントで湿式加工ができる。
汎用機のデメリット
- 技能が必要。
- 複雑な形状の加工に総型で刃物を作る必要がある。
- 切粉や油が飛び散る。
- 加工による熱で寸法管理が困難。
- 常に機械に付いておく必要がある。
NCのデメリット
- 削った感触が分からない。
- 単品のものだとプログラム作成や段取りで時間がかかってしまう。
- 工具を交換したら補正をとる必要がある。
- ノーズR補正を使う場合、手研ぎの刃物が使えない。
- 長物や長ネジの加工が困難。
ざっと並べるとこんな感じでしょうか。
こうして並べて見ると、お互いの短所と長所を補っているのがよく分かります。
汎用旋盤の必要性
私はもちろん汎用機は必要だと思っています。
ですが今は求められる仕事もレベルが上がってきてNCじゃないと加工できない物も多数あります。
逆に汎用機じゃないと出来ない仕事というものは減ってきていますよね。
例えば、4メートル5メートルの長尺のネジを切ろうと思ったらとてもじゃありませんがNCじゃできません。
不可能では無いのですが、やはり汎用機の方が遥かにやりやすい仕事です。
あとはやはり削った感触が分かるというのが大きいと思います。
刃物が切れなくなったらすぐに分かりますし、切粉の色や大きさ、ドリルの切れ味もやはり汎用機なら感覚ですぐに分かります。
ヘール仕上げなんかだと絶対にNCでは加工できません。
刃物を自分で作ろうと思ったら、削った感触が分からないとどのような形状が良いのか、すくい角はどれ程とれば良いのか、シンニングはどのようにとれば良いのか、これらの事が分かりませんよね。
昔の職人さんは作った刃物を見れば腕が分かると。やはりそれは汎用機ならではなのではないでしょうか。
NCだとスローアウェイ式しか使わないので、そこら辺の事は一切分かりませんよね。なので最初はやはり汎用機から覚えるのが理屈も理解できていいですよね。
ブレーカー付きのチップはポロポロ切粉が千切れて良いのですが、長尺物を削っていると、かなり切削抵抗がかかっている事が分かります。
これもやはり汎用機でなければ分からない事でしょう。
モノづくりを1番実感出来るのはやはり汎用機で1つの品物を作った時ではないでしょうか。
わたしは汎NCも使っているのですが、汎用機とNCの良い所取りみたいな感じがすごく好きです(笑)
しかし中途半端な部分もあり、歯痒い所に手が届かない!みたいな部分もあります(笑)
汎用機では加工が難しい所や、NCで加工する程数がある訳でもない品物、長ネジや、ステライト肉盛りしていて汎用機の方がやり易いけど、NCで自動運転させた方が楽!ってものにはかなり向いているんじゃないでしょうか。
汎用機の段取りをしっかり理解して、且つNCの利便性も理解し、プログラム作成や座標計算もできる事が必要と考えると、若干難しく聞こえますが、汎NCは使っていると色々勉強になりますよ。
まとめ
団塊世代の職人さん達が今はどんどん引退していき、若い職人さんが今はかなり少ない状況なのではないでしょうか。
汎用機は知識だけでは使いこなせず、やはり経験がものを云う技術職ですよね。昔からずっと汎用機を使ってきた職人さん達は
「技は見て盗め」
といつも言っておられました。私も30年程汎用機を使ってきた職人さんに仕事を教えてもらいましたが、今考えみると、口で簡単に説明をしてもらい、後は見て覚えていました。
その方が昔働いていた頃は、3年は先輩の仕事を見ているだけで、3年後に初めて機械を触らせてもらえたと言っていました。
まあ今とは時代が違いますし、そんな事させる余裕もないですが、今と違うのはやはり仕事を教えて貰う側の意識の違いなのかなと思います。
教えて貰って当然ではなく、教えてくれてありがとうございますと、それくらい熱意ある若者が増えてくれると幸いです。
コメント
技能試験の前になると必ずここに勉強しにきます。
教えていただきありがとうございます。