汎用旋盤における軸の加工について
お久しぶりです。すみません最近更新をサボっていました^^;
海外ドラマにはまってしまいまして(汗
ブレイキンブバッド超おすすめです(笑)
このままではブログが化石化してしまう!でもなにを書こうか…て思ってたら月日が経つばかり(笑)
と言うことで、いつもしている仕事を少しばかり紹介します。
メインでしている軸の加工について自分のやり方を紹介します。
旋削加工の長尺モノにおける問題点
それは加工した事がある方なら分かると思うのですが、まあ曲がります。
曲がりを0にするのは不可能なので、いかに曲がりを小さく加工するのかが腕が問われる所だと思います。
もし曲がりを0にするのであれば、切削抵抗が無く、熱を持たさない、となるともはやそれは=削るなになってしまいますよね(笑)
それだと仕事にならないので、刃物は切削抵抗の少ない、
- ポジティブ
- 研ぎ付けブレーカー
- すくい面が大きい
このようなチップを選定した方がいいかと思います。ですがそれだと刃物の持ちが悪くなってしまうんですよね…
いつも工具のメーカーさんが来た時に、「切れ味が良くて、持ちがいいチップ作ってくれ~」と言っては困らせています(笑)
まあ刃物は被削物の高度や、切削条件等をみながら臨機応変に変えてやればいいかと。
熱に関しては、湿式で加工するくらいしか対策はありませんよね。
それでも熱をもってしまいます。熱を持つという事は鉄が伸びてしまうという事。センターを突いた状態で伸びるとどんどんセンター側に力がかかってしまいますよね。
なので加工しながらセンターを緩めていきます。どうせセンターを緩めれるのであれば、切削方向もセンター方向に切削してやりましょう。
なので、基本的に軸物はチャック側からセンター側へ加工していきます。
いざ、加工する!
今回は、φ70、長さ6000mmのものです。
とりあえず歪み取り焼鈍前の加工です。
そのまま機械に乗せたままだと、長いので重力で垂れてしまいます。それに支えがないと回していると遠心力でブルンブルン震えてビビりや、変形の原因になってしまいます。
そこで真ん中よりセンター側にこいつをセットしてやります。黒皮のままでは受けれませんからね。
うちの会社ではこいつをオニブレと呼んでいます(笑)よその所ではなんて呼んでるんでしょうか。そもそも正式名称があるのか…
この段取りで半分まで加工して、
そしたらオニブレを外して、振れ止めをいま加工した方に持ってきて、
あとは残り半分を加工してやるだけ!
完成図
終わりに
今回はこの後研磨前に加工して研磨で仕上げるのですが、たまーーーーーーーにヘールバイトで仕上げたりもしてます。
こいつは超硬のチップなので機械研ぎですが、ハイスなんかだと自分で作ったりもしてます。最近はあまり自分で刃物を作る事もあまり無くなってきました。
それだけ工具メーカーが便利な商品を作ってくれているという事なのですが、昔の人は作った刃物を見れば腕が分かると言っていたくらい自分で刃物を作る事も大事なのかと思ってみたり。
刃物を作れる職人さんが少なくなって悲しい反面、メーカーが良い工具を作って便利になる事が楽だなと思ったり。難しいですよね。
職人さんがメーカーで働けばいんじゃないかな。
また記事にできる様な仕事があれば記事にしてみたいと思います。
コメント
大変勉強になります。
ちなみにワークの材質は何でしょうか?
また切削条件を教えて頂けないでしょうか
以上、よろしくお願いします
コメントありがとうございます。
確かSKDだったと思います。
回転数は上げられないので周速40m/minの送り0.5で取り代φ5mmくらいで加工したと思います。
参考になれば幸いです。
一般に長手方向の真直精度はどの様にして出すのでしょうか?
①外径仕上切削後に曲りを矯正するのでしょうか。
②それとも此の加工方法の様に黒皮棒材をオニブレの中穴にセットスクリューで止める際に、材料の曲りを振らせて取り付けて、切削で振れ曲りを削り去るのでしょうか。
うちでは①、②両方です。
②の方法で切削して素材の曲がりを削り去っても、熱だったりチャッキングの時の拗れだったりの原因で、どうしても曲がりが発生してしまいます。(曲がりが0.1以内に収まる事もありますが運が良かっただけと思っています笑)
なので切削後に曲がり直しをしています。
永年の長物軸の疑問が氷解しました、有難うございます。
たまたま見つけちゃいました2メートルの汎用旋盤使ってますとても勉強なります♂️これからも無理ない程度に更新してご教授お願いします